【一文字石臼物語 第2話】「国産小麦はうどんにむかない」?
2012年05月17日
これは、今から10数年前の麺作りの研修会で、諸先輩方から伺った言葉です。当時の業界の「常識」であったようです。同時に、「輸入小麦を使い始めた頃は、輸入小麦でいかに美味しいうどんを作るかの研修会が盛んだった」ともいわれていました。
つまり、かつては、国産小麦で美味しいうどんが作れていたわけではないでしょうか。
95年の秋に、しらさぎ小麦の種を私の田んぼにまいて、翌年6月収穫できました。でも、小麦の状態では、うどんになりません。近所のお年寄りに、「どこか製粉してくれるところはありませんか?」と尋ねると、すぐに近辺の何ヶ所かの粉屋さんを紹介してくれました。訪ねてみると、「もう20、30年以上前にやめました」というところばかりでした。かつての、農家が小麦を作り、近所の粉屋さんに持ち込み、うどん玉や小麦粉に変えてもらったという、「小麦の地場流通」の時代は、遠い昔になっていました。
結局、四国まで探し回って、小麦を粉にできたのは、半年後の10月のことでした。
1996年10月3日、日本のうどん、しらさぎうどんの誕生です。
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